梯剛之ピアノコンサート

行ってきました!!!
素晴らしい、本当に素晴らしい演奏でした。
音が音を追いかける、と言えばいいのでしょうか、音の響きが素晴らしく、前の音の響きが残っているうちに次の音にかぶさって、それが高速かつ連続で行われるために、幾重にも音が重なって重層的な音が構成されていました。
とても、1つの楽器から出ているような音ではありませんでした。
ありきたりな言い方ですが、一人オーケストラのよう。
そして、実に詩的で流れを感じさせる演奏で、時にさざ波、時にうねり、水流や光のような美しい演奏。
今までもチャンスがあったのに、何故、聞きに行かなかったのか、後悔しました。
私に音楽のことは分かりませんが、素人にもありありと天才と分かる、超一流の演奏です。
一緒に行った母は、私が小学生の時に、自分の葬式では、お通夜に「田園」、葬式に「皇帝」を流すようにと言い聞かせ、子供で覚え切れなかった私に「葬式が皇帝?お通夜が田園?」と何度も確認され、メモまで取られるようなクラシック好きですが、今まで聞いた、どの演奏とも違って涙が出そうだったと言っていました。
彼は、盲目のピアニストとして有名ですが、彼の音楽を評価するに当って、微塵も考慮する必要はありません。
勿論、ご本人的には、練習の過程で非常なご苦労があろうかとは思いますが、基本的に暗譜なわけですから、才能に加えて頭が相当に良いのだと思います。
アンコールは、実に3曲、挨拶だけも2回。
ピアノの鍵盤の位置を確かめた後も何度も手を置きかけては引っ込めて、最終的に決意したようにピアノを弾き始めるところが、遠泳で岸を離れるようなイメージ(遠泳やったことないので、喩えの遠泳自体がイメージ)なのですが、相当な集中力を要しているのだと察します。
疲れているでしょうに、アンコールと言っても、アンコールの長さの曲ではなく、とっても善良な人柄を感じました。
特に挨拶等はありませんでしたが、弾き終わった後の丁寧なお辞儀も随分昔にテレビで見たままで、どんなに有名になっても、日本の田舎でも態度が変わらないのは嬉しいですよね。
ちょっと拍手が続いているだけで、すぐに出てこられるので、「かわいそうだね」と隣の方は仰っておられました。
お母様が手を引いていらして、引っ込む時は、そっと手をつなぐのですが、ピアノを弾く時には、お母様だけが袖に引き返し、彼はピアノに片手を置いて、1度客席に向かって真っ直ぐに立ちます。
アンコールで彼が三度目に立った時には、おおっという、どよめきが起こりました。(まさか、三曲も?ということで。基本的に日本の客なので、それまで拍手のみだったのです。外国だったら、相当、場内が興奮したでしょう)
又、絶対に聞きに行きたいと思います。
このブログで、彼のことを書いて、今回は行こうと思い立ったので、ここを訪れてくれた人たちに感謝です。(いなかったりして)
今度は、ランランもだね!と母に言ったら、夜出かけるのを渋っていた母が、ランランはいつあるの?と身を乗り出しておりました。
ああ、梯さんの話でランランで〆てしまった。

ところで、セブンイレブンで売っていた塩キャラメルプリンは、美味しかったですと、更に関係のない話で〆てしまったり・・・