星空から来た犬

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
星空から来た犬

読了しました。
冤罪で犬に変えられて地球に落とされたシリウスの光官(星人)が、孤独な少女と生活をしながらも冤罪事件の鍵を握るゾイという謎の存在を探し出す物語。
若きジョーンズの作品ですが、犬の目から見た世界を延々と描きながら、冤罪事件の謎解きという要素で物語の中にぐいぐい引き込まれました。
この人の作品でいつも感心させられるのは、制約の設定がとにかく巧みだということです。
魔法使いハウルと火の悪魔」では、絶対的な力を持つカルシファーは暖炉に括り付けられ、契約(自分の正体についてだっけ?)について語ってはならないという制約が物語を引っ張ります。
今回のシリウスも絶対的な力を持っていましたが、犬の身に閉じ込められて力と記憶をなくし、犬としての生後、成長するまでは思考することすら、ままなりません。
これが少しずつ、記憶を取り戻し、思考力を身につけ、ついには事件の真相を思い出すに至ります。
これにアイルランド人の少女の孤独な人生が交錯します。(アイルランド紛争が物語のファクターの1つとなっています)
壮大な宇宙の冤罪事件を大枠としながら、少女と犬の物語をメインに話は進んでいくという感じです。(少女と犬というより、犬の生活かも)
個人的には、シリウスと少女が居候する家のティブルスという白い猫が大好きです。
優美な猫で気位が高く、それでいて愛情深い・・・ツンデレですよ、猫のツンデレ
彼女の身に不幸が訪れたのではという件では、かなり気鬱になりました。(そこまで)
気になるのは、彼女には2匹の子供がいるのですが、旦那はどんな猫だったのだろうというとこです。(そ、そこ?)
実は、ラストで、ちょっと分からないとこがあったのですが、姉に速攻で貸して解決しようとしています・・・結局、語る資格なし。情けなや。
ちなみに姉は、読み終わった直後に主人公の名前も言えないような人です。未解決になりそう。