17-16 ★★★カンフーパンダ

ストーリーは、予想通り。
むしろ、その安定感が心地良いです。
又、子供たちにも分かりやすい明快なメッセージがこめらていて、感動できる優れたファミリー向け映画であると言えます。
言えますが、ファミリー向けであるが故か、字幕版は、夜からしか上映がありませんでした。
そして、とっても、すいていました。
はっきり言ってガラガラ。
その代わり、カップルが目立って家でテレビを見るが如く、普通に喋っているのが、子供が一杯の会場よりよっぽど、うるさかったです。

動きの速い映画なので、画面に集中するには、吹替えもいいのかもしれませんが、声優が外れだと、しんどいですね。
最近は、プロの声優でないことが多いですし、私は、洋画は基本的に字幕で見ます。

今回のテーマは、自分を信じる!
ある意味、自分ほど信じられないものはないけども、
自信のなさが可能性をせばめることもあり、努力をしない言い訳にもなる、
子供には受取って欲しいメッセージです。
大人が突きつけられると、場合によっては、髪をかきむしりたくなるけれど。

ストーリーは、予想内ですが、画面の美しさは想像以上でした。
ことに、景色がすばらしいし、画面構成にもセンスを感じます。
CG画像にはさみこまれるアジア的な手描きアニメの絵がパンフレットに載っていなかったのは、残念です。
パンフレットの説明によると水墨画アニメ?が、とても格好いいのです。

CG画面で、ことに美しいのは、亀の導師が散る桃の花びらとともに去る場面(ちょっと、意味がはっきりしない。死んだ?)
とても、美しいシーンですが、
瞬間、逃げた!と思いました。

スターファイブの個性も良く、ファイブの総当り戦は、最大の見せ場の1つです。
このマスターファイブの中のマスターモンキーは、ジャッキー・チェンが声を当てているのですが、非常に無口で、
映画の途中でジャッキーのことを失念し、全く印象にありません。

タイガーは、アンジェリーナ・ジョリーが演じていて、ファイブ最強が女性というのは、よくあるキャラに個性を出すのに役立っています。
個人的には、包容力のあるマスターつるが一番好きです。

戦士の中で名前があるのは、ポーだけで、あとは、タイガー、かまきり、スネーク、つる、モンキーって、そのまま。
師匠のシーフーも師匠て意味だし。
亀の導師は、名前があったみたいだけど、名前が覚えられず、意味も分からず。

愛情深いキャラクターが多く、ことにポーとポーの父親、師匠とユキヒョウのタイ・ラン(これが悪役。脱獄して、マスターファイブやポーたちと戦う)の関係は、
胸打つものがあります。
あえて父親たちと称しますが、
彼らの血のつながらない息子たちへの愛は、胸打つものがあります。
ポー親子は、血のつながりがないとは、はっきり示されていないのですが、
サギみたいな首の長い鳥から、ジャイアントパンダが生れるために、どんなお嫁さんを貰えば良いのか理解できないので、勝手に、そう解釈しました。

代々ラーメン屋のポーの父親は、
息子に過剰に家業を継ぐことを強いますが、
これもポーを実の息子とみなそうと思うが故、という裏設定があると見た(思い込み)。

それでも、父にしこまれたラーメンづくりは、ポーの財産です。
ポーのラーメンは、具なしのシンプルなものですが、
中国のラーメンは、スープが一番の主役とのことなので、
スープが相当美味しいのでしょう。
マスターたちも大絶賛です。

父親のつくるラーメンに使われる秘伝のタレ(ポーは、教えてもらっていない)の秘密が、
龍の戦士の証の龍の巻物の秘密とリンクするかのような、描き方が面白かったです。

鳥がパンダを、あらいぐまがユキヒョウをかいがいしく世話するなんて、少しユーモラスだけど微笑ましい。
何より、幼少時のタイ・ランの愛らしさは異常。
師匠の愛くるしさも異常。

かつて弟子の育て方を誤った師匠は、
ことに弟子たちに厳しく当るようになったということですが、
ポーとの関係で、かつての愛情たっぷりな笑顔を取り戻していくことでしょう。
(パンダを餌付けするアライグマ、かわいい)

説得力のなさは、20年身動きのとれなかったタイ・ランの強さやポーの修行時間の短さ。
でも、自分を信じるというテーマを考えるに、ポーの場合、ポテンシャルは、高かったということでしょう。(カンフーおたくなので、知識はあった。)

ポーのポテンシャル・・・体重とか、脂肪とか・・・
これも身体能力が高いうちなのか。
主人公にパンダを選んだのは、ある意味絶妙です。
白黒つけるぜ!って、コピーも使える。
しかし、映画を聞いていると、パンダ、パンダって普通に言っているのだけど、英語でもパンダはパンダ?