72-12 ●ドラキュラ紀元 キム・ニューマン(ジャック・ヨーヴィル)

吸血鬼ドラキュラの続編とあるが、ブラム・ストーカーの吸血鬼ドラキュラのことだろうか。

史実虚構ないまぜの独特な世界で、薀蓄も満載。実際の人物も多く登場する。
かのヴァン・ヘルシングが破れ、ヴィクトリア女王と結婚したドラキュラの治世となる。
ウルガードと吸血鬼の美少女ジュヌヴィエーヴは、吸血鬼の娼婦を襲う切り裂きジャックの謎に挑む。
イギリスの作家のようだが、ヴィクトリア女王とヴァンパイアの結婚なんて、よく不敬罪にされなかったものだ。
ガリバー旅行記も相当な風刺なのにベストセラーだし、あまり問題にならないものなのだろうか。
この作品は、マイクロフト・ホームズが出てくるという理由だけで読んだが面白かった。
犯人は最初から分かっているような気がするが、ラストまで引き込まれた。(とか言いつつ、一気に読んでいない・・・)
マイクロフトは、最初と最後に出てくるという感じだが、彼の役どころとしてピッタリであった。しかし、この世界のホームズがどうなったのか気になる。

この作品は、「ドラキュラ戦記」「ドラキュラ崩御」と続くらしい。