ちはやふる マンガ大賞受賞

たまに噂を聞く競技かるた漫画「ちはやふる」を読んでいます。
今、三巻なのですが、いろいろ上手いなと思っています。絵だけじゃなく、キャラクターの説得力のもたせ方が。
二巻の途中までが子供編なのですが、正直あまり面白いと思わなかったのに、高校生編になってから、じわじわきいてきています。

この子供編があることによって、三人の主要キャラクターのかるたをやること(続けること)の動機づけや人間関係、更には人格を構成する核が説明されています。
主人公に関しては、男子と見分けのつかなかった小学生時代を描くことによって、超美人にしてカルタの天才という設定から嘘くささが消えていると思います。
いつも母親の注目を浴びる美人の姉への隠されたコンプレックス(私が深読みしているだけかもしれないけど)をさりげなく描いているのも良いですね。

幼馴染の太一も超頭が良くて、金持ちの家の子で、イケメンで(主人公ほどアピールされていないけど)、運動神経もよくて、性格も良くてという、かなりの嘘臭さが、小学生時代を核とするコンプレックスを描くことで、いい具合にセーヴされていると思います。
すなわちカルタの才能で他の二人に溝をあけられていることや読者が許せる程度の卑怯な部分を子供時代に描くことで、千早に告白することもカルタで勝ちにいくことも(負けてもいい)セーヴしてしまうに至る複雑な感情を描くことに成功し、過剰スペックな設定から上手く嘘臭さを消しています。(どこから目線なんだろう、私)
それでも、本心は、千早もカルタも獲りにいきたいと思っている彼の存在は、後半への面白さに期待を持たせてくれますしね。(だから、何様なんでしょうね。私。)

残り1人のカルタでも恋愛でも一歩リードしてた新がお休み状態なのも上手い設定だな〜と。

最近、書道とか文系マイナー分野の漫画を見かけるけど、競技カルタは、正月に必ずテレビでニュースになるし(あれがクィーン戦ですな。)、漫画として取り上げられても不自然ではないと思っていました。
最初は、袴で百人一首というのが正月らしくて写していたんだろうけど、その激しさのあまりのギャップが注目を浴びていましたからね。

で、しばらく前からカルタで面白い漫画があるとは聞いていたのだけど、画風も少女漫画漫画しているし、表紙が大首絵のように首から上のズームアップという、何の漫画か連想しづらいものなので、店頭で見かけてもスルーしたり、見本みて、いつか読もうと思っていても忘れてしまったりで、長い間読んでいませんでした。
このたびは、たぬきさんのお薦めで(私が勝手にブログを見て勧められちゃったんだけど)、六巻まで一気買いしてみました。
まだ、三巻だけど、パラパラ見ただけで、六巻まで理解した気になっています。
主要メンバーの1人、新の新たな参戦(ダジャレですな)、カルタでのライバル、クィーンの登場と、色々読める展開なんで、オーソドックスなパターンを踏襲しているストーリー構成だとは思うけど、とにかく上手なんで、楽しく読めそうです。
いや、もう、何様とか突っ込まないでやって下さい。
しかし、千早は本人も周りも何でモデルやろうって話にならないんでしょうね。姉への対応を見ていると、本人も含めて興味あるのに。無駄美人だから?
新もカルタの大会あるなら、おじいさんの介護代わってもらえば良かっただけなのに。うん、自分の書評に突っ込まれる前に、話に突っ込んでみて誤魔化そうとしてみましたよ。