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一角獣(ユニコーン)の繭 建築探偵桜井京介の事件簿
なんといいますか、もう建築薀蓄ミステリーではなくなっていることは、作者も認めていて、キャラクターの過去とか謎に関する伏線の解消に入っている感じです。
でも、なんというか、お耽美というか、同人誌めいているというか、蒼が京介に恋をしているのではないかと悩むあたりとか、ラストとか何とも何とも・・・なんと言ったらいいのか、言葉が見つからないよ。
ミステリーも犯人は、何作か共通の敵となる天才催眠療法士で、その催眠というのが、どっちかというとファンタジーなんですよね。
現実世界を描いているのが説得力を欠きますな。
母が、この次の黒影の館を読んでみたらしく、分からないと文句を言っていた。それは、あなたが悪いよ、ママン。

私は、この作者のキャラクターへの思い入れたっぷりを感じたあたりから、ちょっとついていけなくなってきていて、今回の作品を読むまでに間が随分あいてしまったのです。
ただでも長いシリーズなので、今回の作品を読んでいても思い出せない話やキャラクターがいて、もう作品には、ついていけなくなっているのに今までの作品で半分ぐらいは読み返すことになりそう。
とりあえず、黒影の館で、未読だと分からないと書いてある作品は読んでおかなないと。(未読ではないのに)
あと、胡蝶の鏡とアヴェマリアは、読んでないから読んで、綾乃のこと覚えてないから綺羅の棺あたりも読んでおくかぁ・・・この作品、もはや大好きです、とは言い切れないのだけど、もう何かの呪いのように消化しないとすまないことになっています。