270-42 ●富士丸おでかけ日和

先日、読んだ「ひとりと一匹」は、飼い主の穴澤さんが富士丸に向けた手紙で、もう前面に富士丸をいかに愛しているか、そして、その死をどれだけ恐れているかということが痛いほど伝わってきた。
なんといったって、自分が万が一事故死した場合の対策まで講じているのだ。
もう、富士丸が何年か後には亡くなっているのが分かっているので、この人、大丈夫なの?と母まで心配するほどだ。
一方で、穴澤さんの生い立ち、父親が転職を繰り返して貧乏だったり、母親が多分再婚のため出て行ったこととか、26で母が亡くなったとか、30で結婚したけど一年半ぐらいで離婚したとか、ディープな情報も。
確かにまともに収入もないのに、いきなりブリーダーのところに行って犬もらってくるって不自然だと思ったけど、結婚していた時のことだったと知って納得。

で、今回の本は、日経なんたらというところでネット連載していた「富士丸探検隊」の内容をもう一度書き直したもの。
犬と出かけられる公園やお店が紹介してある。
ちゃんとカメラマンがついていったのだと思うけど、ブログ「富士丸な日々」と違って、穴澤さんと富士丸と一緒に写っている写真が多い。
というか、写真の多い本。
前の本ほどではないけど、ペット可のところで犬と初詣し、犬の健康を祈り、犬のお守りを肌身離さず持つ、あとがきを見ると2009年7月。10月1日に富士丸は、突然死する。
ああ、フィクションは、こういうところが嫌だ。