550-52 ★平台がおまちかね 大崎梢

書店の営業が主人公のミステリー短編集。
ミステリーとは言っても書店員の日常の中の物語でホノボノしている。
書店薀蓄にベクトルが傾いていて、ミステリーが真髄ではないと思う。
かと言って、知識が雪崩れ込んでくるわけでもなく、ほのぼの色が強いというか。
うまく言えないけど、動物のお医者さんを思い出した。
あれも獣医学部の学生の日常に即したミステリー仕立ての物語が多く入るけど、あれをミステリーに分類することは、まずない。
それと同じで、ミステリーって雑誌に載っているからミステリー扱いだけど、平台の本質は、ミステリーというカテゴリーにないなと。
読みやすくて、面白かった。
平台をエンドロールって読んでしまった時点で、自分はもう普通ではないと思った。