古代エジプト美術館

都会のビルの一室にある小さな美術館に行った。
個人の収集家がやっていて、院生とか学生らしい人がコスプレとかして案内してくれる。
部屋は狭いが3つぐらいに分かれていて大体1時間かかる。
懐中電灯を渡されて、探検をする部屋もあるのだ。
私は、宝探しだと思っていたのだが、ちょっと違った。
ホームページには、思わぬお宝があるかもよとか書いてあったのだが。
ここからは、行く予定のある人は、読まないで欲しい。

この部屋だけは客だけで入る。
華やかな彩色のほどこされた棺を中心に暗い部屋のあちこちに小さな扉があるのだが、アンク(生命のシンボル)の扉をあけて下さいと入口で念を押される。
しかし、このアンク、結構あちこちにあるので、順路を示している程度だと思っていたのだ。
それに小さい扉にも一個アンクがついていた。
それらをあけると性器をかたどった遺物が出てくるのは何だかなと思ったが、古代の信仰では世界各国よくあることなので気にしない。
そして、最後、大きなアンクが部屋の出口にあって出たら元の場所だった。
係の人が2人がかりで「アンクの扉は開けましたか」と聞いてくる。
小さなアンクのは開けたのだが、一応戻る。
そしたら、出口にかけてあったアンクは壁にかけてあったのだが、よく見るとそこも扉だった。
わりと大きな縦長の扉で3つに分かれており、真ん中の棚にゴロっとミイラの首が首の方をこちらにして置いてあった。
聞いた話だが、エジプトとかに観光に行くとガイドや地元の人に遺跡の壁の中を見ろ見ろといわれて壁の穴に首を突っ込むとミイラが・・・ってイタズラをされることがよくあるという。
思えば、係のお姉さん達は、ミイラを見て「キャー」という反応がないので、見たのか聞いたのだ。
心なしか、にやけていた気もする。
しかし、私たちは、「ミイラだね」「だね」と確認しあい、「見ました」と普通に報告した。
そして「すみません。(順路を遡って)」と礼儀正しく退去。
さすがの友人もその後入った飲み屋で鶏肉を前に「ミイラ思い出すね」と言ったら、相当嫌な顔をしていたが、エジプト美術館なので意外でもない。
ただ、ガラス張りとはいえ、あんな目の前で見られるなどそうそうないと思う。
4月に展示替えもあるそうだし、今度は、貸切にしようと思う。
そういう企画があるのだ。ただ、ケータリングも出来るというので、お弁当を食べようと思っていたのだが、とにかく狭いところを受付も含めると4つぐらいに区切っているので、なお狭く、どこで食べるのか心配だ。
現にどこでケータリングを食べるのか聞いたら、部屋の真ん中の展示物を片づたりするらしい。
最悪、ミイラの隣で、お弁当を食べても構わない方と募集条件に書かねば。
下見って大切だなと思った。