雑誌3
専門雑誌1
王子様と灰色の日々 山中ヒコ
ずっとBLだと思ってスルーしていたが、男装ものだった。
でも、BL作家で、BLっぽかった。
しかし、主人公が物凄く不幸で切なかった。BLの方が展開が速かったのではというぐらい切なくて辛かった。
これは、かなり微妙なラインが大事な作風だ。
今のところ期待。
どう切ないかというと、主人公の女子高生が不幸すぎて、うりふたつの金持ち坊ちゃんの身代わりをさ無理矢理させられているのに、ささいな言葉で求められている必要とされていると感じて頑張っちゃうんだよね。
人を好きになることが一番の不幸だという彼女のデフォルトの空気感がめちゃくちゃ暗い。人に触れられるのを恐れるのも痛々しい。
彼女を身代わりに仕立てた遼がいつもイライラしていて、それが恋愛フラグなんだけど、彼女が身代わりを了承した原因となった信成は、彼女のことに気づきもしない。
普通だったら、3ヶ月も高校休めないが、彼女は親に売られそうになって家を飛び出した身なので、他に行くところもないんだよね。
普通は、学年1位なんて学校も大事にしそうなもんだけど、坊ちゃんが見つかった後の居場所が見どころなんだろうと思う。こう、一気に遼が動くんだろうな、と。しかし、坊ちゃんが帰ってくるキッカケが分からない。意外とキッカケなく帰ってきそうな気もするが。
坊ちゃんが1人で失踪できるようなタイプじゃなかったってのと、単なる家出じゃなく誘拐って路線で心配しない遼が謎と言えば謎。
遼は、敦子と至がそっくりなのは、自分で気づいたというよりは至に聞いたっぽかったから、意外と至に通じているのかな。そんな作風の作家でもないんだけど。
敦子が幸せになるといいな。こっちもキーパーソンは、遼だな。